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2020年10月4日

その他

京都府京田辺市「弧の家」1stプレゼン

こんにちは、タイコーアーキテクトの魚谷です。

先日、京都府京田辺市Y様邸、題して「弧の家」の1stプレゼンを行いました。

今回は敷地面積約75坪、東側接道の大きな敷地でのご提案でした。

下図のように方位に対して敷地が振っていること、パッシブデザイン設計をするため南面に大きな窓を取ろうと思うとプライバシー面で道路からの視線が気になること、そして第一種高度地区であることから厳しい斜線制限がかかってくる事こと等が問題点として挙げられました。

そこで、今回はアプローチ部分を建物からボコっと飛び出させ、かつ南面にお庭を設けてグリーンでプライバシーを確保。斜線制限のため北側隣地境界線から距離を取る必要があり、敷地に正対させて建物を配置すると、南側建物と飛び出させたアプローチが影になり十分な日照が得られないことが日照シミュレーションから分かったため、今回は真南に建物を正対させて配置しました。

そうすることで下図のように冬場の日照をしっかりと確保しました。1階部分は午後からは南側隣家の影になってしまいますが、2階部分は日中約7時間太陽の光と熱を享受できるので、そのありがたい太陽の熱を吹き抜けを介して一階に届けようという計画です。

そんなY様邸の冬の室温シミュレーションがこちら。深夜0時20℃スタートで朝6時の段階で15℃以上、日中は太陽の熱だけで7℃ほども室温が上がるお家となりました。

 

LDKからは南面のウッドデッキを介してお庭へと繋がり、まるで自然の中で暮らしているかのような感覚に陥ります。柱壁の無い大空間LDKと大開口は地震に強いSE構法ならではの構造的根拠のある空間です。

本をたくさんお持ちのy様のため、今回は2階ホールの幅を広めに取り、書棚を計画。椅子を置いて読書のできるゆったりとした空間を実現しました。

今回も省エネかつ快適な「強くて あたたかくて ちょっとかっこいい家」のご提案ができたかなと思います。

お住まい後の快適性が実感してみたい物件です。


-補足―
【Y様邸の性能値】

Q値(熱の逃げにくさ)1.56W/㎡・K
UA値(熱の逃げやすさ)0.46W/㎡・K
C値(すき間の面積)0.6㎠/㎡(想定値)
ηAH値(冬場どれだけ日射熱を取り込めるか)3.5
ηAC値(夏場どれだけ日射熱を取り込むか)0.9