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2020年1月25日
その他
方位によって窓の種類を変える理由
こんにちは、タイコーアーキテクトの田中です。
先日兵庫県宝塚市にてK様邸地鎮祭を執り行わさせていただきました。
計画地は、北面に緑が広がるスカッとしたロケーション。
南面には2階建て住宅が建っていますが、出来るだけ建物を敷地北面に寄せ、隣の家の影を避ける配置計画を行いました。
外観イメージがこちら。
南側に目一杯窓をとり、太陽の光と熱を取り込む まさに『太陽と暮らす家』。
南面の大開口が特徴的なK様邸。今日はそんなK様邸でも設計手法として取り入れている「窓」にまつわるお話をしたいと思います。
タイコーでは 樹脂アルミ複合サッシ もしくは 樹脂サッシ の Low-Eペアガラス窓 を標準採用していますが、同じガラスでも「熱を通しやすい窓(日射取得型)」と「熱を通しにくい窓(日射遮蔽型)」があることをご存知でしたか?
タイコーでは、東西南北で窓の大きさや種類を変えてご提案をさせていただいています。
具体的にどのように使い分けているかというと、以下のようなイメージ。
【南面】
冬場、南からの太陽の光と熱を最大限に享受するために大きな窓を配置。
この時、周辺の建物によって影になってしまうような位置には極力窓を設けないようにしています。
窓ガラスはもちろん熱をたくさん取り入れてくれる『日射取得型』の窓を採用。
【東・西・北面】
南面以外の東・西・北の窓は極力小さく計画し、窓ガラスは熱を通しにくい『日射遮蔽型』の窓を採用。
下記のイラストから分かるように、窓は家を構成する部材の中で一番熱の出入りが激しい箇所です。断熱性能を担保するためにも、直射日光の入らない窓は必要最低限の大きさにして、断熱性能を担保することが重要です。
(あくまでも設計基準です。例えば北側にどうしても取り入れたい景色がある…などの場合は他の窓形状や断熱性能のバランスを見て最適なご提案をさせていただきます)
実際、宝塚市K様邸では、南面の大きな引違い窓6枚のみを『日射取得型』の窓としており、その他の窓は『日射遮蔽型』。
では、本当に窓の種類を変えただけで温度が変わるのか?室温シミュレーションで比べてみましょう。
下図グラフが南面の掃き出し窓を全て『日射取得型』にした実際のK様邸の晴れた日のLDKの室温シミュレーションです。ηAH(冬の日射熱取得量)は4.3。なんと、無暖房で太陽の力だけで室温が10℃も上がります。
そして下図グラフが窓を全て『日射遮蔽型』とした場合のグラフ。ηAH(冬の日射熱取得量)は3.0。
(※LIXILのサーモスXの場合で計算・シミュレーションをしております[日射取得型の場合:取得率49%/日射遮蔽型の場合:取得率31%])
この場合でも7℃程も室温が上昇するという結果。これでも十分な室温ではありますが、窓の種類だけで室温が変わる!ということはご理解いただけましたでしょうか?
今回のK様邸のように南面全面に直射日光が当たる窓を取れるケースは、ごく稀で、実際には太陽の力だけでこれまでに室温が上昇することは、面積が小さく周囲に建物が密集した敷地が多い大阪エリアでは難しい場合の方が多いです。
しかし、そんなあらゆる敷地条件・周辺環境がある中で、その敷地の特性を最大限に活かし、快適に過ごすために最も最適な配置計画、間取り、窓の選択などをご提案させていただくのが私たちの任務です。
住宅の性能面では世界から遅れをとっている日本ですが、一棟ずつでも強くて快適でちょっとかっこいい家を建てさせていただきたいと思います!
兵庫県宝塚市K様邸は5月の完成予定です!これからもブログでご紹介させていただきますので楽しみにしていてください!
K様、地鎮祭おめでとうございました。
大阪で高気密・高断熱、パッシブデザイン設計、モダンインテリアかつ地震に強いSE構法の家を建てるならタイコーアーキテクトへ!!
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