施工事例
WORKS
中庭が繋ぐ二世帯の家
「都市で快適にあつまって暮らせる家」がオーナー様のご要望でした。
建築地は、大阪市内にあるご実家。大阪の中心部に位置する建築地は、古い町並みの中にも周りにポツポツとビルが建ち、異なった時代が共存するような不思議な雰囲気をもった町並みの中にありました。西向きの建築地は、南隣地に2階建て住宅が建っており、その条件下の中で南からの日照確保を検討していきました。
プランニングでは、1階を親世帯、2階、3階を子世帯として配置していきました。1階へ光を届けるために、家の南側にコの字型に囲うように中庭を設け、柔らかく降り注ぐ光の道を作りました。2階、3階は広々とした空間を吹き抜けでつなぎ、同じ時間を共有できる家としてご提案させていただきました。お住まい後には南側隣家が解体され、新たに駐車場に。より暖かく快適にお住まい頂けるようになりました。
世代を超えて住み継いでいくことのできる2世帯の家。共有する時間と空間が、新たな価値を作り出す。タイコーならではの、都市の中でのパッシブデザイン住宅がまたここに完成しました。
ARCHITECTURAL DATA
- 設計士
- 前田良
- 完成
- 2019年
- 所在地
- 大阪府大阪市
- 建築面積
- 93.99m2(28.43坪)
- 延床面積
- 225.48m2(68.20坪)
- 敷地面積
- 140.17m2(42.40坪)
- 建ぺい率
- 80%
- 容積率
- 300%
- 階数
- 3階
- 家族構成
- 両親+夫婦+子供3人
- 構造
- 耐震構法SE構法
- 耐震等級
- 3(最高等級)
- 耐風等級
- 2(最高等級)
- 温熱等級
- 5
- 温熱地域区分
- 6地域
- 年間日射量地域区分
- A4区分
- 用途地域
- 第二種住居地域
- 防火地域
- 準防火地域
ECO SPECS
省エネ性能の値
- 一次エネルギー消費量
- 361MJ/ (m2・年)
- 年間暖冷房負荷
- 207MJ/ (m2・年)
- Q値(熱の逃げにくさ)
- 1.5W/m2K
- UA値(熱の逃げやすさ)
- 0.5W/m2K
- C値(すき間の面積)
- 0.8cm2/m2
- ηAH値(冬の日射熱取得量)
- 2.6
- ηAC値(夏の日射熱取得量)
- 1
令和3年度自社基準
- 一次エネルギー消費量 600MJ/(m2・年) 年間暖冷房負荷 180MJ/(m2・年)以下
- Q値 1.9W/m2K UA値 0.46W/m2K C値 0.6cm2/m2 ηAH値:2.5 ηAC値:1.0 BEI:0.6
年間の光熱費の比較
- 平均的な長期優良住宅
- 28万円 / 年
- この住宅
- 14万円 / 年
約50%節約
各種仕様
屋根 | 内側 | 高性能グラスウール16K|210㎜ | 熱貫流率 0.22 W/m2K | 屋根熱損失合計 20.63 W/K | |
---|---|---|---|---|---|
壁 | 内側 | 高性能グラスウール16K|120㎜ | 熱貫流率 0.37 W/m2K | 壁熱損失合計 116.33 W/K | |
オーバーハング床 | 内側 | 高性能グラスウール16K|210㎜ | 熱貫流率 0.22 W/m2K | オーバーハング床熱損失合計 3.54 W/K | |
基礎 | 内側 | 押出法ポリスチレンフォーム|55㎜ | 熱損失合計 27.74 W/K | ||
開口部 | 窓 | 樹脂サッシ |Low-Eペアガラス [U値1.41~1.72W/㎡・K] | 窓・ドア熱損失合計 105.93 W/K | ||
玄関扉 | 断熱玄関ドア [U値1.81W/㎡・K] | ||||
熱損失合計 274.17 W/K ÷ 外皮表面積合計 552.9 W/K = UA値 0.5 W/m2K |
換気 | 熱交換型第一種換気システム | 熱交換率 70 % |
---|---|---|
給湯 | 電気ヒートポンプ給湯器(オール電化) | |
照明 | すべての機器においてLEDを使用 |
一次エネルギー消費量
この家の 一次エネルギー[MJ] |
長期優良住宅の 一次エネルギー[MJ] |
削減率 | |
---|---|---|---|
暖房設備 | 29980 | 59517 | 49.63%削減 |
冷房設備 | 12706 | 19211 | 33.86%削減 |
換気設備 | 3775 | 15483 | 75.62%削減 |
給湯設備 | 15483 | 25091 | 38.29%削減 |
照明設備 | 9871 | 30298 | 67.42%削減 |
調理その他家電設備 | 21241 | 21241 | - |
発電設備の発電量のうち自家消費分 | -18690 | - | - |
コージェネレーション設備の売電量に係る控除量 | - | - | - | 74366 | 170841 | 56.5%削減 |
- この家の一次エネルギー消費量 74366[MJ/年] ÷ 延床面積* 206.18m2 ≒ 360.68MJ/ (m2・年)
- 国が基準値としている長期優良住宅の値 820MJ/ (m2・年)と比較して56%削減
* 計算に使用している延床面積は吹き抜け等の仮想床を含む面積となります。
VOICE OF CUSTOMER
施主 I
電気をつけなくても明るい家は、心身ともに健康でいられる気がします。
元々この土地に実家があり、4、5階建てのビルでした。3階に居住スペースがあり、僕はそこで育ちました。僕が独立して近くのマンションに住むことになってからも、両親はそこに住んでいたのですが、年を重ねるごとに階段で3階まで上がることがしんどくなってきたみたいです。老朽化も進んでおり、両親がこのビルに住み続けるのは厳しい状況だったので、その土地で1階に両親、その上に僕たちが住めるような二世帯住宅を建てようという話になりました。社長の羽柴仁九郎と同級生ということもあり、タイコーさんの家づくりについては以前から知っていました。良い家をつくっているな、いつか家づくりを任せたいなって、漠然とですが、思っていました。僕自身、具体的に自分の家をどうしたいっていう構想は特になかったのですが、いざ両親がブランド力のある大手ハウスメーカーに足を運んでいたときには、ちょっと待って!とストップをかけましたね(笑)結局、大手でも2社ほどプランを考えてもらいましたが、同じ土地でも設計士さんそれぞれの設計思想によって、異なった空間づくりを見ることが出来て面白かったです。その中でも自由度の高い設計に惹かれて、タイコーさんにお願いすることにしました。
性能が良い家だということは、よく理解していたつもりだったのですが、実際住んでみると冬場は家が本当にあたたかくて驚きました。夏場も、しっかりと設けた日射遮蔽のおかげでエアコンはあまりつけていません。寒い日でも家では厚着をせずに快適に過ごせますし、空調の使い方だけでなく、暮らし方自体が変わりましたね。
もともと南側に建物があって光を取り入れにくかったのですが、タイコーさんのパッシブデザインを軸にした設計思想と自分の「明るく快適な家にしたい」という理想がちょうどよくマッチしたおかげで、満足度の高い仕上がりになりました。電気をつけなくても明るい家は、心身ともに健康でいられる気がします。光を取り入れるということは熱を取り入れるということでもありますから。そこはタイコーさんの得意分野だと思いますので、安心して相談すると良いと思います(笑)