施工事例
WORKS
水押の家
今回の建築地は、三方を道路に囲まれ、さらに隣接して緑地帯が広がる、非常に開放的な立地。日射取得がしやすい恵まれた環境を活かした、3階建てビルトインガレージハウスの計画となりました。
四方が大きく抜けた敷地条件のため、外観デザインは建物の印象を大きく左右します。迫力のある外観を実現することはもちろん、配管や雨樋、エアコン配管などの設備類が目立たないよう細やかな工夫を施し、どの角度から見ても整った美しい佇まいとなるよう計画しました。
1階には和室+収納+キッチン以外の水回りを集約。洗面室を中心にランドリールーム、脱衣室、浴室を隣接させ、家事動線の効率化を図りました。日々の洗濯や身支度がスムーズに行える、機能的な水回り計画となっています。
2階にはバルコニーに面した約35.5帖のLDKを配置。床材は、キッチンにはタイル、リビング・ダイニングにはカーペットを採用し、素材の切り替えによって空間をゆるやかにゾーニングしています。南面には開口部をたっぷりと設け、陽の光と熱を室内に取り込むことで冬場の暖かさを確保しました。
さらに3階へ上がると、本棚やベンチのある開放的なセカンドリビングが広がります。開放的な立地を活かしながら、暮らしの自由度を高める多目的な空間として計画されています。
周囲の環境と調和しながら、開放感と快適性を両立した「水押の家」。
タイコーならではのパッシブデザイン住宅が、またひとつここに完成しました。

- 水平ラインを強調したファサードが、街並みに静かな存在感を与えます。

- ボリュームの重なりと素材の切り替えによって、立体感のある外観をつくっています。

- 玄関から続く和の空間。床の間の陰影と素材の質感が、落ち着きのある雰囲気を演出します。

- 35.5帖のLDK。南面に連続する開口部からは外の緑と空の景色を取り込みます。

- 冬はたっぷりと陽の光と熱を取り込み、夏は電動バーチカルブラインドで日射をコントロールし、快適な室内環境を整えます。

- オーダーメイドのアイランドキッチン。大判の大理石柄セラミックストーンが、空間に上質な雰囲気を与えます。

- LDKの中心に設けた階段。手すりの裏側に間接照明を仕込み、やわらかな光が足元を照らします。

- テレビを見るときは扉を開き、ダンスレッスンの際には閉じてミラーとして使えます。扉を内側に寄せると、背面の収納スペースを使うこともできます。

- リビングと連続するバルコニー空間。木製の大型引き込み戸を開けると、内外が一体となった開放的な居場所が生まれます。

- 3階にはセカンドリビングを計画。読書をしたり作業をしたりと、家族それぞれが自由に過ごせる場所です。
ARCHITECTURAL DATA
- 設計士
- 前田良
- 完成
- 2023年
- 所在地
- 兵庫県芦屋市
- 建築面積
- 157.80m2(47.73坪)
- 延床面積
- 271.03m2(81.98坪)
- 敷地面積
- 262.04m2(79.26坪)
- 建ぺい率
- 70%
- 容積率
- 200%
- 階数
- 3階
- 家族構成
- 夫婦+子ども3人
- 構造
- 耐震構法SE構法
- 耐震等級
- 3(最高等級)
- 耐風等級
- 2(最高等級)
- 温熱等級
- 5
- 温熱地域区分
- 6地域
- 年間日射量地域区分
- A4区分
- 用途地域
- 第一種中高層住居専用地域
- 防火地域
- 法22条地域
ECO SPECS
省エネ性能の値
- 一次エネルギー消費量
- 297MJ/ (m2・年)
- 年間暖冷房負荷
- 194MJ/ (m2・年)
- Q値(熱の逃げにくさ)
- 1.36W/m2K
- UA値(熱の逃げやすさ)
- 0.5W/m2K
- C値(すき間の面積)
- 0.6cm2/m2(想定値)
- ηAH値(冬の日射熱取得量)
- 2.5
- ηAC値(夏の日射熱取得量)
- 1.7
令和7年度自社基準
- 一次エネルギー消費量 600MJ/(m2・年) 年間暖冷房負荷 180MJ/(m2・年)以下
- Q値 1.9W/m2K UA値 0.46W/m2K C値 0.6cm2/m2 ηAH値:2.5 ηAC値:1.0 BEI:0.6
年間の光熱費の比較
- 平均的な長期優良住宅
- 37万円 / 年
- この住宅
- 8万円 / 年
約78%節約
各種仕様
| 屋根 | 内側 | 高性能グラスウール16K|210㎜ | 熱貫流率 0.21 W/m2K | 屋根熱損失合計 18.73 W/K | |
|---|---|---|---|---|---|
| 壁 | 内側 | 高性能グラスウール16K|120㎜ | 熱貫流率 0.37 W/m2K | 壁熱損失合計 108.99 W/K | |
| 基礎 | 内側 | 押出法ポリスチレンフォーム|55㎜ | 熱損失合計 37.81 W/K | ||
| 開口部 | 窓 | アルミ樹脂複合サッシ |Low-Eペアガラス [U値1.52~1.70W/㎡・K] | 窓・ドア熱損失合計 111.11 W/K | ||
| 玄関扉 | 断熱玄関ドア [U値1.79W/㎡・K] | ||||
| 熱損失合計 276.64 W/K ÷ 外皮表面積合計 561.22 W/K = UA値 0.5 W/m2K | |||||
| 換気 | 熱交換型第一種換気システム | 熱交換率 82 % |
|---|---|---|
| 給湯 | ガス潜熱回収型給湯機 | 効率 92.5 % |
| 照明 | すべての機器においてLEDを使用 | |
一次エネルギー消費量
| この家の 一次エネルギー[MJ] |
長期優良住宅の 一次エネルギー[MJ] |
削減率 | |
|---|---|---|---|
| 暖房設備 | 31510 | 55206 | 42.92%削減 |
| 冷房設備 | 19285 | 20197 | 4.52%削減 |
| 換気設備 | 8196 | 9214 | 11.05%削減 |
| 給湯設備 | 18414 | 25091 | 26.61%削減 |
| 照明設備 | 11957 | 34395 | 65.24%削減 |
| 調理その他家電設備 | 21241 | 21241 | - |
| 発電設備の発電量のうち自家消費分 | -32769 | - | - |
| コージェネレーション設備の売電量に係る控除量 | - | - | - | 77834 | 165344 | 52.9%削減 |
- この家の一次エネルギー消費量 77834[MJ/年] ÷ 延床面積* 261.68m2 ≒ 297.44MJ/ (m2・年)
- 国が基準値としている長期優良住宅の値 820MJ/ (m2・年)と比較して63.7%削減
* 計算に使用している延床面積は吹き抜け等の仮想床を含む面積となります。
VOICE OF CUSTOMER

施主 H様
家自体が素晴らしいので、それに負けないように、自分たちでも手を加えながら育てていく。そんな楽しみもありますね。
――家づくりを始めたきっかけを教えていただけますか?奥さま:以前住んでいたマンションが、とにかく手狭になってしまったんです。子供が3人いるのですが、狭さからくる喧嘩が毎日絶えなくて……。収納も全然ありませんでしたし、個人の部屋はもちろん、共有スペースもどんどん物で溢れていきました。リビングに収納を増やし続けた結果、最終的にリビングの動けるスペースが2畳ぐらいになってしまったんです(笑)。
ご主人:リビングの端っこに収納ユニットがどんどん増えていって、窓まで埋まってしまって。もともとの寝室はもはや「物置」になってしまってたのでリビングの隙間で寝ていたんです。テトリスの棒になったような気分でした。そんな状態に限界を感じて、「子どもたちが成長する前に、もっと人間らしい暮らしをさせてあげたい」と強く思うようになったんです。
――どのようにしてタイコーアーキテクトを見つけたのですか?
ご主人:「パッシブ」というキーワードで検索しました。家づくりを調べていくと、かつて流行ったデザイナーズ住宅は見た目は良いけれど、冬は寒くて夏は暑いという話が分かってきたんです。建てるなら、やはり「高気密・高断熱」な住宅でなければならないと。
その要素の1つがパッシブデザインですよね。断熱・気密がしっかりしているのは当たり前で、その上で太陽の光や風に素直な設計をする。そして、それを「おしゃれに建てる」こと。タイコーさんの「強くて、快適で、ちょっとかっこいい」という社是が、僕たちの求めていたものにぴったりでした。
奥さま:私は正直、断熱や気密にはあまり関心がなくて、とにかく「デザインがかっこよければいい」と思っていました。ただ、おしゃれな家であっても、あまりに主張が強すぎる「ギラギラした家」は魅力を感じていませんでした。タイコーさんの家は、謙虚さもありつつスタイリッシュ。その「絶妙なかっこよさ」が素晴らしいなと思いました。
――インテリアのイメージは、最初から具体的にあったのでしょうか?
奥さま:インテリアに関しては、私の中に明確なイメージがありました。特に大理石を広い面積で使いたくて、キッチンもしくはテーブルで使うことは決まっていました。最初は少し宇宙的でフューチャーモダンな、エッジの効いたデザインを押し進めようと思っていたんです。
ご主人:床も全部タイルにして。でもやっぱり家ではゴロゴロしたいし、タイルだとラグを敷くことになる。それなら最初から床はカーペットにしよう、というところから逆算して今のようなインテリアに仕上がりました。
――間取りやリビングについて、一番の要望は何でしたか?
ご主人:個室の広さは最小限に抑えてとにかく「広いリビング」にしていただきたかった。前の家がテトリスでしたから(笑)。
奥さま:夫婦の寝室はそれぞれ5帖も無いのですが、基本的にLDKで過ごすので特に窮屈には感じません。
2階はLDK、3階には個室の他に広いセカンドリビング。来客があった時、大人は下で食事を楽しみ、子どもたちは上で遊ぶ。そういう使い分けができるようにしています。
ご主人:私は家づくりに関して、本を200冊以上読みました。SNSで調べるだけでは飽き足らず、建築哲学から歴史、和室のわびさびまで。
例えば、玄関にある「坪庭」もそうです。狭い場所に無限を感じさせるという、茶室の「躙口(にじりぐち)」のような哲学を自分なりに勉強して取り入れました。実際、来客時には皆さんはあの入り口に惹き込まれるように入ってこられます。
タイコーさんには、かなり細かいことまで相談して面倒をかけたと思いますが、しっかり耐えて、形にしてくださいました(笑)。
――実際に住んでみて、住み心地はいかがですか?
奥さま:気温を気にする日が本当になくなりました。寒い、暑いというストレスが一切ないんです。外気温が家の中にいると分からないので、外出して初めて「あ、今日はこんなに寒かったんだ」と驚くこともあります。
ご主人:あとは静かさですね。窓を閉めていると、前の道を通る救急車の音もほとんど聞こえません。マンション時代はエアコンの配管の隙間を自分で埋めたり、24時間換気口を塞いだりして無理やり寒さ対策をしていましたが、今はそんな苦労は皆無です。
――お引渡し後もDIYやお庭の手入れを楽しんでいらっしゃると聞きました。
ご主人:玄関の表札や内装の一部、和室の設えなども自分で手がけました。
家自体が素晴らしいので、それに負けないように、自分たちでも手を加えながら育てていく。そんな楽しみもありますね。
奥さま:以前の「テトリス生活」からは想像もできないような、穏やかでスタイリッシュな暮らしができています。タイコーさんにお願いして、良かったです。


















