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2020年8月17日

その他

京都府相楽郡「南庭の家」1stプレゼン

こんにちは、タイコーの前田です。

本日は前日1stプレゼンをさせていただいた京都府相楽郡のY様邸についてご紹介させて頂きます!

▶外観
シンプルな四角い外観形状にグレージュや木の外壁が上品な印象を与えるファサードデザイン。

▶LDK
1階に配置したLDKは22.5帖確保し、柱・壁のない広々とした空間。南東角、約9帖のウッドデッキと繋がり、視覚的により広く感じるよう配置。さらに南東角、リビング上部には吹き抜けを設け、上部から太陽の光と熱を導きます。

今回、どのようにプランニングを進めていったのか、少しご紹介させて頂きます。

プランニングを行う上でまず初めに行うのが敷地に対する日照シミュレーション。敷地の周りに建つ建物の形状や高さ、どれくらいの位置に建っているのか、現地調査の際に細かく確認し、正確に3Dに落とし込むことで正しいシミュレーションを行う事ができます。シュミレーションを行うことで、本当に利用できる太陽の熱と光を正確に把握します。

下図は真冬日と言われる1月20日の日照シミュレーションです。Y様の敷地は、現在は南西側敷地が空地の状態ですが、今後住宅が建つことも想定しての日照シミュレーションを行いました。南西側に住宅が建つことを想定すると、日照の確保が難しく、かなり工夫が必要だなという事が分かりました。

現状の敷地は道路からの高低差もある為、1m上がった部分をメインに配置を検討。外周部は敷地境界から1mの壁面後退と北側斜線制限がある為、おおまかに下図のようなイメージ。

ここで一度、真四角の2階建てを建てた場合の日照シミュレーションを見てみましょう。

真四角の形状で2階建てを普通に建ててしまうと、建物に対してしっかりと日照が当たるのは4時間未満。このまま建ててしまうとパッシブデザイン設計をする上で不利な状態になってしまうので、建物形状を再検討していきました。

東南角が一番日当たりの良い部分ですが、隣地に家が建ってしまうと日陰になってしまう事が分かったので、その部分にテラススペースを配置してみる…

すると…先ほどと比べて日照時間が大幅に増え、一日を通してしっかりと室内へ日照を導く事が出来るという事が分かりました。そこで南東角にウッドデッキと庭を配置し、吹き抜けから1階LDKへと太陽の光と熱を落とし込むプランに落ち着きました。

タイコーでは、このように日照シミュレーションをもとに、どのような形状でどの位置にどんな大きさの窓を持ってくれば快適な室内環境を実現できるのか?順を追って繰り返し検討していきます。

そうすることで、Y様邸でも冬場無暖房の状態で、朝6時の時点で15℃以上、日中は太陽の力だけで20℃を上回る室温シミュレーションを実現。

下グラフは朝5時~9時まで暖房をかけた場合の室温変化です。朝の4時間程暖房をかけていただくだけで一日を通して快適な室温を実現することが出来ます。

※当シミュレーションは0時に室温が20℃でスタートした場合のシミュレーションです。
※当シミュレーションは冬の晴れた日のシミュレーションです。

今回も省エネかつ快適なパッシブハウスをご提案できたかなと思います。


-補足―
【Y様邸の性能値】

Q値(熱の逃げにくさ)1.53W/㎡・K
UA値(熱の逃げやすさ)0.45W/㎡・K
C値(すき間の面積)0.6㎠/㎡(想定値)
ηAH値(冬場どれだけ日射熱を取り込めるか)2.7
ηAC値(夏場どれだけ日射熱を取り込むか)0.9