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2019年2月5日
その他
日本の住宅の耐震性
さて、本日は日本の住宅の耐震性について、興味深い記事を見つけたのでご紹介いたします!
先日、日本木造住宅耐震補強事業者協同組合という耐震診断と耐震補強を全国で行っている団体が、「建築年度別にみる耐震性に関するデータ」の最新調査分を発表しました。
同調査は、1950年〜2000年5月に着工された木造在来工法・2階建て以下の住宅で、2006年4月〜2018年12月に木耐協が耐震診断を行った2万6815棟を対象としたものです。
診断結果を下記の4段階で集計しています。
①倒壊しない / 1.5以上
②一応倒壊しない / 1.0~1.5未満
③倒壊する可能性がある / 0.7~1.0未満
④倒壊する可能性が高い / 0.7未満
その耐震診断結果が下記の通りです。
③と④を合わせると91.41%。
9割以上の住宅が現行の耐震性を満たしていないという事が分かります。
倒壊しないと言い切れるのが1.36%なんて、恐ろしい結果ですよね…
この調査では、1950年〜2000年5月に着工された木造在来工法・2階建て以下の住宅が調査対象とされていますが、耐震基準は「1981年6月」と「2000年6月」の二度にわたって大きく改正され、もちろん改正されるごとに、より地震に強い基準になっています。
「1980年以前に建てられた建物」を「旧耐震基準住宅」、「1981年以降に建てられた建物」を「新耐震基準住宅」と区分した場合、それぞれの耐震診断結果を見てみると…
旧耐震基準住宅と新耐震基準住宅で比べると耐震性は上がってはいるものの、その差はあって無いようなもの。
新耐震基準住宅の住宅でも、約85%が現行の耐震基準を満たせていないのです。
しかもその平均築年数は28.86年と築浅です…
基礎の仕様に関しても、旧耐震基準住宅と新耐震基準住宅を比較したものがあります。基準となるランクは下記の通りです。
- ランクⅠ:健全な鉄筋コンクリート造布基礎またはべた基礎
- ランクⅡ:ひび割れのある鉄筋コンクリート造の布基礎またはべた基礎
無筋コンクリート造の布基礎
柱脚に足固めを設け鉄筋コンクリート底盤に柱脚または足固め等を緊結した玉石基礎
軽微なひび割れのある無筋コンクリート造の基礎 - ランクⅢ:玉石、石積、ブロック基礎
ひび割れのある無筋コンクリート造の基礎
基礎仕様の推移を見てみても、旧耐震基準住宅から新耐震基準住宅では耐震性が向上しているものの、新耐震基準住宅でも半分がランクⅠを満たしていない、つまり”健全ではない”基礎なのです。
続いて、接合部の仕様に関して基準となるランクは下記の通りです。
- ランクⅠ:接合部Ⅰ→平成12年建設省告示1460号に適合する仕様(現行の新築基準相当)
- ランクⅡ:接合部Ⅱ→3kN以上の金物
- ランクⅢ:接合部Ⅲ→3kN未満の金物(通し柱の場合)、接合部Ⅳ→3kN未満の金物
※接合部Ⅲ、Ⅳは釘止め程度の状態を指します。
接合部の仕様についても同様の事が言えます。
1982年頃から柱頭・柱脚接合部への金物設置が普及したことから、3kN以上の金物を使用した「ランク2」(=接合部仕様2)の住宅の割合が増加しているものの、新耐震基準住宅でも、釘止め程度の状態を指す「ランク3」が76.72%で依然として多く、増加した「ランク2」が22.86%、現行の新築基準相当の仕様を示す「ランク1」が0.43%という残念な結果です。
また、下記の表は大規模地震と建築基準法の変遷を示す「耐震年表」です。
建築年度別に木造住宅の耐震性がデータにまとめられています。
さて、現在持ち家にお住まいの場合、お住まいの建築年度のお家の耐震性はいかがでしょうか?
新耐震基準住宅以降、2000年にも建築基準法は改正されており、より基準は厳しくなっています。
とはいえ、2000年以降に建築された住宅でも震災で倒壊しているのが現状です。
下の写真は熊本地震の実際の写真ですが、2007年そして2010年に建築された住宅もこのように倒壊しています。
2000年以降に建てられた住宅ですから、もちろん現行基準に則った住宅です。
では、どうしてこのようなことが起こるのか?
木造の在来工法では、建物を支える基礎と土台を繋ぐ部分にホールダウン金物と呼ばれる金物が用いられます。
その基礎と土台を緊結する金物であるホールダウン金物がこんな風に曲がってしまっていたり、破断してしまっているというのが現状としてあげられます。
強度が全然足りていないという事ですよね。
そもそも柱と梁、柱と土台の接合部の断面欠損が大きいことが弱点としてあげられます。
強くないといけない接合部ですが、切り欠いている部分が大きいと当然弱くなってしまいますよね。。。
また、耐力壁と呼ばれる壁に施工される”筋交い”ですが、これも途中で折れてしまったり、金物がはずれてしまったりというケースが多く見られます。
そもそもの問題は、日本のほとんどの住宅が「構造計算をしていない」ということ。
なぜなら建築基準法で木造二階建て500㎡以下の住宅は構造計算をしなくても良いと言われているからです。
悲しい事ですが、法律で定められていないことは誰しもわざわざコストをかけて進んではやらないというのがまかり通ってしまっているのが日本です。
人生で一番大きなお買い物とも言われている住まいですが、たった一度の地震でこんなことになってしまったら…悲しいですよね…
こんなことにならないためにも!永く安全に住み継ぐためにも!住まいづくりを考えるにあたって耐震性は本当に重要です。
弊社が採用するのは阪神大震災以降に開発された「耐震構法SE構法」。
木造住宅の弱点をすべて克服した屈強な構造躯体です。
これまで震災で倒壊したこと、瑕疵の報告は全国で一棟もございません。
なんでそんなに強いのか??
それは・・・
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