コラム
COLUMN
2021年6月8日
「地震に備える」とは
繰り返し起きる大地震
ニュースで見る地震の被害は他人事ではありません。
震度ごとの人の体感レベルを表にしてみました。
改めて言葉にしてみると恐ろしいです。
そして実際に起こった大地震の被害。
地震による死者の90%は地震発生から15分以内に命を落としているといわれています。阪神淡路大震災では、家屋倒壊までの時間は5~10秒、そして家屋倒壊後の生存時間は14分。
たったこれだけの時間で倒壊する建物・倒壊した建物から逃げ出すことができるのでしょうか?
人の命を守るための建物が、逆に凶器となり、人の命を奪っているのです。
熊本地震では震度7の地震が2度発生し、これまで安全であるとされていた2000年以降に建てられた「新耐震基準」の多くの建物が被害に逢いました。
その中でも、国が最高の住宅であると認定している「長期優良住宅」が倒壊したという事実には一般の方も住宅業界も大変な衝撃を受けました。
いつか来るといわれている南海トラフ大地震・・・
備えるためにもこれまでの大地震で学んだことを生かし、国や住宅業界は更なる家の耐震基準の向上を行っていかなければなりません。
しかし、国は家の耐震性能の根幹である構造計算を義務化していません。構造計算については次回に詳しくお話ししますが、現実に新築2階建て木造の約80%が適切に構造計算されているとは言えない状況です。
被災して命は助かったとしても、建物が倒壊したらそのあとのライフプランに大きな影響が出てしまいます。「そのために地震保険などがあるんだろう!」という声が聞こえてきそうですが・・・
このように建物が倒壊すると途方もなく大きなリスクが存在します。
「地震で倒壊しない建物を選ぶ」
これしか対策はありません。
知らなかった、では済まない耐震の話。
次回はいよいよ耐震の基本「構造計算」の話になります。