コラム

COLUMN

2021年6月12日

「構造計算」とは

1995年1月17日 阪神淡路大震災 M7.3

2018年6月18日 大阪北部地震 M6.1 

????年?月?日 南海トラフ地震 

 

今までも、そしてこれからもたくさんの地震が発生する日本。家族の安全はもちろんのこと、その資産価値を守ることが「家」には求められています。耐震のお話をさせていただくにはまず、ここから叶えていく必要があります。

それが構造計算です。

構造計算・・・なんとなく聞いたことはありますよね。

建物には、地球の重力や地震力、風圧力、積雪荷重、津波などさまざまな力が作用します。これらの力に対して安全であるように各構造部材(柱、梁、壁、床、屋根、基礎)の安全性を確認するのが構造計算です。

木造住宅における構造計算には「仕様規定」「性能表示計算」「許容応力度計算」の3種類があります。

・仕様規定(簡易構造計算によって判断する)

・性能表示計算(仕様規定と許容応力度計算の中間レベル)

・許容応力度計算(詳しく複雑な計算を行う)

 

タイコーでは、最も詳しく安全性の検証が可能な許容応力度計算を行っています。(それぞれの構造計算についてはまた別の回で解説させていただきます)

なるほど! 構造計算には簡易的なものから詳細にしているものまでレベルがあるんだな~と、わかりますよね。

家の安全性のハナシだからこそ、ここはしっかりとした計算を選ぼう!と皆様も思いますよね?

当然、日本中のすべての家が同じように考えられて建てられていると思われていますが・・・

実際には許容応力度計算(詳しい構造計算)どころか一番簡易的な仕様規定ですら、日本中で建てられている木造2階建ての約80%の家では適切に計算されていません

 

・・・80%ですよ!?ほとんどのお家が構造計算されていないなんて、信じがたいですよね。

(木造2階建ては構造計算をしなくてもよいと勘違いされている実務者も多いようですが、これは間違いです。構造計算は必要です。ただし、審査機関が提出を義務付けていないので「しなくてもよい」と間違った解釈をしているのが建築業界の現状です)

こんな状況になってしまっているのは、4号特例と言われる悪法があるためです。

建築基準法 第6条の4 第3号
4号建築物(木造2階建てで500㎡以下のもの:木造2階建て住宅はこれに該当)について建築士が設計したものは建築確認の審査において構造計算を出さなくてもよいと定められています。

つまり「4号建築物であっても、当然建築士が責任をもって構造の安全性を確認しなさい。でも、建築審査機関は建築士の資質を信頼しているので提出された建築申請については構造のチェックを省略します・・・忙しいので!」ということです。

 

国民の安全の根源である建物の安全性の確認を、建築士の個人責任とし、審査機関としてはそれを信頼して審査通すよという意味不明の悪法。法律も悪いですが「だったら別に構造計算しなくてもいいんじゃない?」と考えて計算を行わないという建築業界も間違っていると私は思います。

まずは知ってください。

2階建ての木造住宅も当然に構造計算をする必要があります。

それは長期(最低でも50年)においてお住まいになられる家族の皆様が安全で快適に過ごしていくために必要なのです。

まずは耐震の基本になる構造のことを知っていってください。