施工事例
WORKS
スキップフロアの家
今回の建築地は数区画に整理された分譲地のうちの1区画。プランを計画する段階で南北に隣接している土地は更地でしたが、2階建て住宅が建つことを考慮して日照シミュレーションを行いました。
陽の光をできるだけ南面の窓に当てたかったので民法境界を守りつつ建物を北側へ寄せ、南側に駐車スペースをとることができるように配置計画を進めました。また南面1階部分は隣地住宅の影がかかってくることもあり日射取得が難しいことがシミュレーションでわかっていました。ですので南面2階部分に窓を配置し、吹き抜けを介して1階リビングへ陽の光を落とし込むように建物形状を検討していきました。
外観はタイコーでは珍しいモスグリーンの外壁と木目調サイディング、外付けブラインドヴァレーマを組み合わせてカジュアルな仕上がりになりました。南に配置したスキップフロアの下はワンちゃんのお部屋。LDKからスキップフロアそして空へとスカッと視線の抜ける、気持ちの良い空間になっています。また栗のフローリングを採用しナチュラルな無垢の色味の中にモスグリーンや真鍮を取り入れ、木のあたたかみが感じられながらもスタイリッシュに仕上げました。
リズミカルな空間構成により陽の光・熱をLDKに届けつつ居心地の良い場所をいくつも生み出す「スキップフロアの家」。タイコーならではのパッシブデザイン住宅がまたひとつ完成しました。
ARCHITECTURAL DATA
- 設計士
- 魚谷声佳
- 完成
- 2022年
- 所在地
- 大阪府八尾市
- 建築面積
- 54.65m2(16.53坪)
- 延床面積
- 106.01m2(32.06坪)
- 敷地面積
- 109.48m2(33.11坪)
- 建ぺい率
- 60%
- 容積率
- 200%
- 階数
- 2階
- 家族構成
- 夫婦
- 構造
- 耐震構法SE構法
- 耐震等級
- 3(最高等級)
- 耐風等級
- 2(最高等級)
- 温熱等級
- 6
- 温熱地域区分
- 6地域
- 年間日射量地域区分
- A4区分
- 用途地域
- 第二種中高層住居専用地域
- 防火地域
- 準防火地域
ECO SPECS
省エネ性能の値
- 一次エネルギー消費量
- 665MJ/ (m2・年)
- 年間暖冷房負荷
- 218.27MJ/ (m2・年)
- Q値(熱の逃げにくさ)
- 1.38W/m2K
- UA値(熱の逃げやすさ)
- 0.42W/m2K
- C値(すき間の面積)
- 0.6cm2/m2(想定値)
- ηAH値(冬の日射熱取得量)
- 1.8
- ηAC値(夏の日射熱取得量)
- 1
令和3年度自社基準
- 一次エネルギー消費量 600MJ/(m2・年) 年間暖冷房負荷 180MJ/(m2・年)以下
- Q値 1.9W/m2K UA値 0.46W/m2K C値 0.6cm2/m2 ηAH値:2.5 ηAC値:1.0 BEI:0.6
年間の光熱費の比較
- 平均的な長期優良住宅
- 29万円 / 年
- この住宅
- 23万円 / 年
約21%節約
各種仕様
屋根 | 内側 | 高性能グラスウール16K|210㎜ | 熱貫流率 0.16 W/m2K | 屋根熱損失合計 8.76 W/K | |
---|---|---|---|---|---|
壁 | 内側 | 高性能グラスウール16K|120㎜ | 熱貫流率 0.37 W/m2K | 壁熱損失合計 62.91 W/K | |
基礎 | 内側 | 押出法ポリスチレンフォーム|55㎜ | 熱損失合計 13.6 W/K | ||
開口部 | 窓 | アルミ樹脂複合サッシ |Low-Eペアガラス [U値1.52~1.70W/㎡・K] | 窓・ドア熱損失合計 43.49 W/K | ||
玄関扉 | 断熱玄関ドア [U値2.14W/㎡・K] | ||||
熱損失合計 128.76 W/K ÷ 外皮表面積合計 307.07 W/K = UA値 0.42 W/m2K |
換気 | 熱交換型第一種換気システム | 熱交換率 70 % |
---|---|---|
給湯 | ガス潜熱回収型給湯機 | 効率 92.5 % |
照明 | すべての機器においてLEDを使用 |
一次エネルギー消費量
この家の 一次エネルギー[MJ] |
長期優良住宅の 一次エネルギー[MJ] |
削減率 | |
---|---|---|---|
暖房設備 | 16230 | 40640 | 60.06%削減 |
冷房設備 | 6909 | 8269 | 16.45%削減 |
換気設備 | 2184 | 5243 | 58.34%削減 |
給湯設備 | 17591 | 21860 | 19.53%削減 |
照明設備 | 5639 | 6078 | 7.22%削減 |
調理その他家電設備 | 20574 | 20574 | - |
発電設備の発電量のうち自家消費分 | - | - | - |
コージェネレーション設備の売電量に係る控除量 | - | - | - | 69127 | 102664 | 32.7%削減 |
- この家の一次エネルギー消費量 69127[MJ/年] ÷ 延床面積* 103.93m2 ≒ 665.13MJ/ (m2・年)
- 国が基準値としている長期優良住宅の値 820MJ/ (m2・年)と比較して18.9%削減
* 計算に使用している延床面積は吹き抜け等の仮想床を含む面積となります。
VOICE OF CUSTOMER
施主 K様
室温が一定なので朝の目覚めも良く、冬でも早起きがつらくありません。
ご主人:夫婦ふたりとも犬と一緒に暮らしたいという夢があり、気軽に育てられる環境をつくりたいなということで家づくりをはじめました。奥さま:学生時代から家づくりに興味があって、趣味として色々勉強したり間取りを考えてみたりしていました。そのときに「パッシブデザイン」という設計手法と出会い、気になって調べていくうちにタイコーさんにたどり着きました。ウェブサイトに掲載されている設計思想やリアルな性能値公開などから説得力のある会社さんだな、と家づくりを始める前から気になっていました(笑)
ご主人:最終的にタイコーさんにお願いしようと思った最大の理由は、設計担当の魚谷さんの迅速な対応力ですね。土地を購入する前に相談すると魚谷さんがすぐに敷地調査に行ってくださったり、日照シミュレーションを見せてくださるので、すごく安心して家づくりができそうだなと思いました。
実際住んでみると太陽光のおかげで冬場は寒さを感じることがほとんどありません。夜まで暖房をつけ忘れていることも多々あります(笑)室温が一定なので朝の目覚めも良く、冬でも早起きがつらくありません。LDKでワンコとものんびり快適に暮らすことができて楽しいです。
奥さま:プラン依頼をする際に「スキップフロア」を一番の要望としてあげていたのですが、実は家づくりを始めた頃に自分たちで模型を作ってみたことがあるんです。そのおかげでスキップフロアのある暮らしを想像しやすかったですし、要望がはっきりと浮かんできました。そもそも自分たちでイメージできていないと家づくりは進めづらかったと思います。
あと家づくりをする上で自分の譲れない部分は守るべきかなと思います。「憧れ」と「暮らしやすさ」のラインはあらかじめ決めておいて、大きく飛び出さないように調整していくと良いのかなと。私の場合は結果的にバランスよく仕上がって納得のいく家づくりができました。