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2019年11月22日

その他

「低温は万病のもと」

こんにちは、タイコーアーキテクト 設計の前田です。

先日、断熱材メーカーのアキレスさん開催のセミナーにて、近畿大学建築学科教授の岩前篤先生が講演なさるという事で、聞きに行きました。

岩前先生は住宅の省エネ化・ゼロエネ化、健康・快適化、さらなる長期耐久化を目的とした研究・開発を行っておられる方です。住宅業界ではかなりの著名人です。

流石に講演も面白く、大変興味深いものでした。

岩前先生は住宅の室温と健康の関係についてよく研究されており、先生曰く「低温は万病のもと」。

実際に、新築住戸に引っ越した累計2万人以上の人を対象に引っ越し後の気管支喘息、のどの痛み、せき、肌のかゆみ、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎の症状が改善したという人の割合を調査された結果が下記のグラフです。

この結果から、断熱性能が高い住宅に引っ越した人ほど疾患の改善率が高いという事が明らかになっています。

日本では冬場の住宅内事故というと、ヒートショックによる心筋梗塞や脳梗塞ばかりが取り上げられますが、低温が原因だと気が付かないだけで、低温が原因で様々な病気・疾患が引き起こされていると考えられます。

最近になって「高断熱高気密」や「パッシブデザイン」という言葉も良く耳にするようになりましたが、日本ではまだまだ室温に対する意識が低いのが現状。イギリスでは「HHSRS」という住宅におけつ健康と安全の指針によって「室温が16℃以下になると深刻な健康リスクが現れる」と言われています。一度皆さまの家の寝室の温度を測ってみてください。知らない間に健康リスクを冒してしまっているかも…!?

▼「HHSRS」(Housing Health & Safety System)・・・イギリスの副首相府・英国建築研究所が開発した住宅の健康安全の評価システム。2006年4月にイングランド・ウェールズで施行。

なんてことを考えると、やっぱりこれから家を建てようと考えている方には少しでも「室温」に対しての意識を持ってもらいたいなあと感じます。

住んでからの快適で健康な暮らしの事を一緒に考えていきましょう。