施工事例
WORKS
眺望の家
最初に建築地を見に行かせていただいた時に西面に広がるダイナミックな山の景観に思わず声が出てしまったのを覚えています。
見晴らしの良い丘陵地にある東向きの建築地。道路からは約3mほぼ1階階高分の高低差がある敷地でした。その高低差を利用して2階から玄関に入っていく一見平屋のようなお家。シンプルな片流れの大屋根の内部は勾配天井となっていて広々とした空間を作り出しています。家の中の不要な壁を減らすことで、視線が自然と南西側の山々へと導かれます。リビング・バルコニーからのパノラマを贅沢に味わう眺望の家。
四季折々の自然を楽しむパッシブデザイン住宅がまた一つここに完成しました。
ARCHITECTURAL DATA
- 完成
- 2015年
- 所在地
- 兵庫県西宮市
- 建築面積
- 67.48m2(20.41坪)
- 延床面積
- 152.60m2(46.16坪)
- 敷地面積
- 169.18m2(51.18坪)
- 建ぺい率
- 40%
- 容積率
- 100%
- 階数
- 2階
- 家族構成
- 夫婦+子供1人
- 構造
- 耐震構法SE構法
- 耐震等級
- 3(最高等級)
- 耐風等級
- 2(最高等級)
- 温熱等級
- 5
- 温熱地域区分
- 6地域
- 年間日射量地域区分
- A4区分
- 用途地域
- 第一種低層住居専用地域
- 防火地域
- 法22条地域
ECO SPECS
省エネ性能の値
- 一次エネルギー消費量
- 478MJ/ (m2・年)
- 年間暖冷房負荷
- 172MJ/ (m2・年)
- Q値(熱の逃げにくさ)
- 1.34W/m2K
- UA値(熱の逃げやすさ)
- 0.51W/m2K
- C値(すき間の面積)
- 0.5cm2/m2
- ηAH値(冬の日射熱取得量)
- 2.6
- ηAC値(夏の日射熱取得量)
- 1
令和3年度自社基準
- 一次エネルギー消費量 600MJ/(m2・年) 年間暖冷房負荷 180MJ/(m2・年)以下
- Q値 1.9W/m2K UA値 0.46W/m2K C値 0.6cm2/m2 ηAH値:2.5 ηAC値:1.0 BEI:0.6
年間の光熱費の比較
- 平均的な長期優良住宅
- 31.9万円 / 年
- この住宅
- 22.3万円 / 年
約30%節約
各種仕様
屋根 | 内側 | 高性能グラスウール16K|210㎜ | 熱貫流率 0.23 W/m2K | 屋根熱損失合計 16.92 W/K | |
---|---|---|---|---|---|
壁 | 内側 | 高性能グラスウール16K|120㎜ | 熱貫流率 0.37 W/m2K | 壁熱損失合計 76.6 W/K | |
基礎 | 内側 | 押出法ポリスチレンフォーム|55㎜ | 熱損失合計 21.46 W/K | ||
開口部 | 窓 | 樹脂サッシ |Low-Eペアガラス [U値1.90W/㎡・K] | 窓・ドア熱損失合計 78.1 W/K | ||
玄関扉 | 断熱玄関ドア [U値2.33W/㎡・K] | ||||
熱損失合計 193.08 W/K ÷ 外皮表面積合計 384.94 W/K = UA値 0.51 W/m2K |
換気 | 熱交換型第一種換気システム | 熱交換率 90 % |
---|---|---|
給湯 | ガス潜熱回収型給湯機 | 効率 92.5 % |
照明 | すべての機器においてLEDを使用 |
一次エネルギー消費量
この家の 一次エネルギー[MJ] |
長期優良住宅の 一次エネルギー[MJ] |
削減率 | |
---|---|---|---|
暖房設備 | 18439 | 36256 | 49.14%削減 |
冷房設備 | 7970 | 14688 | 45.74%削減 |
換気設備 | 2945 | 5648 | 47.86%削減 |
給湯設備 | 16225 | 25091 | 35.34%削減 |
照明設備 | 6657 | 21289 | 68.73%削減 |
調理その他家電設備 | 21241 | 21241 | - |
発電設備の発電量のうち自家消費分 | - | - | - |
コージェネレーション設備の売電量に係る控除量 | - | - | - | 73477 | 124213 | 40.8%削減 |
- この家の一次エネルギー消費量 73477[MJ/年] ÷ 延床面積* 153.60m2 ≒ 478.37MJ/ (m2・年)
- 国が基準値としている長期優良住宅の値 820MJ/ (m2・年)と比較して41.7%削減
* 計算に使用している延床面積は吹き抜け等の仮想床を含む面積となります。
VOICE OF CUSTOMER
施主 S様
不安だった吹き抜け大空間の寒さもタイコーの断熱仕様で問題ナシ
この土地に出会えるまでに何年もかかりました。森や山を眺めて暮らしたいけれど、都市からは離れられない、そんな条件を満たす環境をずっと探していました。ようやく見つけた数カ所の候補から絞りこんで最終的にこの傾斜地に。土地の形状を利用して、面白い家づくりができるかなと思いました。私(ご主人)は建築関係の仕事をしているので、土地探しの段階から敷地候補を見つけるたびに「この土地であれば、こんな家づくりができるかな」と、図面やCGパースを描きながらイメージを膨らませていました。この土地の場合にも、隣接する山林の風景や海まで見渡せる俯瞰景を生かすことはもちろん、「一見、平屋建て、実は3階建て」「間仕切り壁を極力減らし、多種多様に使える一体空間」「リビングのような脱衣所」など次々にアイデアが湧き出して、本当に楽しんで設計できました。それがほぼそのまま実現できました。
工務店探しは私(奥さま)の役割でした。各社のホームページを見ながら、自分たちが建てたい家のイメージに近い作風の、センスの良さそうな会社を順にあたっていきました。「いろいろ口を出すけどいい?」と言いながら(笑)
最終的に2社に絞り、そこから予算とセンス、それと断熱へのこだわりでタイコーさんにお願いすることになりました。
特に「断熱」はポイントでしたね。とにかく寒い家はイヤでした。だから、吹き抜けを設けるとなったときは躊躇しました。冬に1階の暖気が逃げてしまわないかって。でも、結果的には全く問題なしでしたよ。それどころか、太陽光が16時過ぎまで入るので、晴れた日は暖房いらずです。逆に、夏は熱気が抜けるので室内が涼しく、また空間がつながっているのでエアコン1台だけで冷房をまかなうこともできます。
プランにあたっては、収納やクローゼットを広めにすることで、居住空間に物があふれないようにしました。四角い部屋がいっぱいあるのではなく、大きくつながった空間にしたかったというのも最初から希望していましたね。それから、日陰になりがちな洗面・脱衣スペースを、あえてリビングになるくらい快適にしたいという希望もあり、小部屋として仕切らず、渓谷側に向かって大きな掃き出し窓を設けて開放感のある場所にしました。
家自体もですが、いまはここからの眺めを最高に気に入っています。家を建てる前に想像していた以上の眺望です。夏は樹木の葉が茂って西日を遮ってくれますし、冬は葉が落ちて遠くの山が見え、陽光が入る。そして、春には、もともとこの土地にあった目の前の桜が満開になり、四季の移り変わりを満喫できるので贅沢ですね。