Passive Design Idea Trium

パッシブデザイン/ 3つの哲学

PASSIVE DESIGN / IDEATRIUM

省エネで快適な住まい

大阪で建てるパッシブハウスとは - パッシブZEH住宅

パッシブデザインとはできるだけ機械設備に頼らず、太陽、風といった自然エネルギーをそのまま使って快適で省エネな住まいづくりをしようという設計思想・設計手法の事です。同じパッシブデザインでも、のどかな景色がひろがる他府県でゆったりと家を建てるのとひしめくように家が立ち並ぶ大阪で家を建てるのでは当然、色々なことが違います。

  • 都市部の場合都市部の様子
  • 田舎の場合田舎の様子

では皆様が家を建てようと思われている大阪とはどのようなところなのでしょうか?地域でいうと、大阪の夏の温度は沖縄と同じぐらいで、夜まで熱帯夜となる酷暑エリア。冬は豪雪地である新潟県と3℃程度しか変わらない酷寒エリアです。

  • 大阪と沖縄の比較雨温図大阪と沖縄の比較雨温図
  • 大阪と新潟の比較雨温図大阪と新潟の比較雨温図

しっかりとシミュレーションを行い、冬に4時間以上日照が得られる事を確認して施工された南向きの大きな窓のある家

少しでも高性能な窓を使いたいところですが、大阪の都市部の80%が準防火地域に指定されており全てのハウスメーカー・工務店共に高性能な樹脂枠+3枚ガラスの防火試験に合格した限られた種類・大きさの窓しか使えません。その上で北海道レベルの断熱気密性能が求められるエリアです。

立地は都市部と郊外部で差はあるものの、大阪は建築予定地の周辺には住宅が立ち並び、太陽の光と風を取り込むためには立体的に設計を考え工夫を凝らさなければいけないエリアです。住まい手の家族構成は様々ですが、ちょっとでも広くて開放感のある家が欲しいという欲張りな要望に応えつつ、南面に大きな窓をつけられる自由度の高い構造躯体で設計し、将来において間取りの可変性をもった家が当然に求められるエリアなのです。

要するに、大阪でパッシブデザインを行うということは、他のエリアと比較してとても難しいのです。企画住宅とは真逆の、まさにオートクチュールの設計が求められます。

しかし卓越した設計技術で敷地を読み解き太陽の光と熱、風を適切に活用することができれば「冬暖かく、夏涼しい」春や秋に爽やかな風が吹き抜ける明るく開放的な住まいを実現することが出来ます。1年を通じて小さなエネルギーで心地よく暮らせる誰も教えてくれなかった、大阪に住む人のための欲張りな住まいの設計デザイン。

それがタイコーの考える大阪で建てるパッシブデザインハウスです。 ついでに太陽光発電までちゃっかり検討する、それがパッシブZEH住宅です。

タイコーの目指す1年を通じて小さなエネルギーで心地よく暮らせる家

Three Merits of Passive Design

パッシブデザインの3つのメリット

その1 快適な住まいになる

光と風が入り快適なLDK

冬暖かい 夏涼しい 風が通る 自然の光で明るい

住まう人が、家の中で快適だと感じるこれら全てを、パッシブデザインで高いレベルで実現しています。「快適な家」を実現することで、1年を通じて住まい手は「我慢ばっかりの生活」から解放され、ストレスなく過ごせるようになります。今の住まいや生まれ育ったご実家、お友達が建てた新築…パッシブデザインという視点で冷静に分析してみてください。どこかに不十分な点が見えてくるのではないでしょうか?

その家の快適性は暮らしてみないことには分からないのですが、家づくりという大舞台では失敗はしたくありませんよね…。パッシブデザインを深く理解して設計することで、高いレベルの快適性が実現されます。

その2 健康な住まいになる

脳梗塞・脳卒中の発生場所とその割合

世界一位の超高齢化社会を突き進む日本においては平均寿命だけでなく、不自由なく健康に暮らすことができる健康寿命も大切です。死亡は当然のことながら、家の中での脳梗塞や心臓疾患による高度医療を余儀なくされる生活など誰も求めていないからです。日本では住宅の冬の室温規定はありませんが、イギリス・ドイツ・アメリカをはじめ同じく高齢化社会を迎えた先進国は当然のように住まいの最低室温を規定しています。世界では人類が寒さに過敏であり、部屋ごとの温度差に対して急激な血圧の上昇リスクがある事が広く認知されています。それを防ぐための温度差の無い家づくりも常識になっているからです。WHO(世界保健機構)では、冬すべての部屋で室温18℃以上が推奨されています。

日本では、風呂と洗面所の温度差によるヒートショックがよくテレビ等で取り上げられますが、実際には就寝時の寝室の温度、そして居室からトイレへの温度差による事故が最も多いということを知っている人はあまりいません。歳を取ると日本の家は冬 寝ているだけでも危険なのです。最近ではアレルギー疾患や関節の痛みなど様々な疾病は室温によって改善するという研究データも発表されています。住まいの温度は健康に直結するのです。

断熱性能の向上による健康改善率

では夏はどうでしょうか?毎年恒例になっている夏の異常気象は家の中での熱中症を加速させています。パッシブデザインを深く理解して設計することで冬の室温を上昇させ夏の室温の上昇を抑えることができます。家中の温度差の小さい住まいは、現実に健康な住まいとなるのです。

その3 光熱費がかからない住まいになる

1985地域アドバイザー拠点の認定証

パッシブデザインは建物のあり方(建物そのものの設計デザイン)を工夫することで「冬暖かく、夏涼しく、風が通る、明るく」 を実現します。そうすることで、暖房機器、冷房機器、照明機器の使用エネルギーを最小限にする建物を実現します。また、給湯設備や換気扇なども適切に機器を選定することで大幅な光熱費の削減を実現します。太陽光発電を設置しなくても、一般的な住まいの半分程度の光熱費にすることも可能となります。タイコーでは設計・コーディネーター・営業の全社員が省エネマイスターの資格を有し、大阪での気候・風土・ライフスタイルに合わせた的確な省エネルギーアドバイスを行う1985地域アドバイザー拠点でもあります。

パッシブデザインを実現した上で太陽光発電や創エネルギーシステムを加えてZEH化する住宅をタイコーではパッシブZEH住宅と呼んできます。ただのZEH住宅との違いは当然、上記の「快適性と健康性」のメリットがあげられます。国が推進するZEHビルダー登録業者でもあるタイコーは、2030年までに建築するすべての建物をZEH化すべく毎年一歩ずつ国のロードマップの基準をクリアしている実績あるパッシブな5つ星ZEHビルダーです。

タイコーアーキテクトのZEH普及目標(Nearly ZEHを含む)

  • 目標
  • 実績
  • 目標達成
  • 100%
  • 80%
  • 60%
  • 40%
  • 20%
  • 0% 6% 2016年度 1戸(全18戸中)
  • 10% 14% 2017年度 2戸(全14戸中)
  • 20% 24% 2018年度 4戸(全17戸中)
  • 30% % 2019年度  
  • 50% % 2020年度  

タイコーアーキテクトのBELS評価書交付実績

年度 評価書交付実績 全戸数中の割合
2017年度 1戸(全14戸中) 7%
2018年度 12戸(全17戸中) 71%
2019年度    
2020年度    

パッシブデザインと高断熱高気密住宅の違い

「冬暖かくて夏涼しい家だったらいい」

家を検討中の皆さまがこういった考えに行きつかれるのは、当然のことだと思います。ただしここで、安易にネット検索してしまうと、広告を打っている「住宅は性能です!」という高断熱高気密住宅にヒットしてしまいます。全てが間違っているわけではありませんが、パッシブデザインの要素うちのたったひとつである断熱性能の数値的な部分だけが真実を隠したまま皆様に伝えらえています。前項でもお伝えしておりますが、パッシブデザインは設計思想と設計手法です。高断熱高気密住宅は、「家の仕様」すなわち断熱材は何をどの厚み使っている、窓はどの性能の物を表面積に対して何%使っているという断面の仕様の話です。

ショールームの断熱仕様(ダブル断熱)

ただの高断熱高気密住宅を建てると

  1. 冬はあったい家になったけれど、晴れている日でも暖房機器が止められない
  2. 夏は夜中になっても熱気が抜けない、逆に暑い家になってしまった
  3. 住宅の断熱性能に対して過剰な冷暖房機器が装備されている
  4. 風は入ってこない
  5. 昼間明るくないので照明を点ける

といった残念なお家になってしまう可能性があります。なぜなら、それが高断熱高気密住宅だからです。

「断熱性能を高いものにします。気密性能も高いものにします(隙間は少なくします)。」文字通りその性能値を約束しているだけで、パッシブデザインのように自然の恩恵と小さなエネルギーで「冬暖かく、夏涼しく、風が通り、自然光で明るい」を目指した住まい設計ではないからです。

とても初歩的なことですが、言葉が目指している目的が違います。「家の性能値の数字だけを満たします」という家と「実際に住まわれてからの快適性、省エネ性、健康性の実現」を目指す家では「住んでからの実態」が違うのです。次の項で説明しますが、当然パッシブデザインも高断熱高気密住宅として設計施工します。いくら冬に太陽の光と熱を家の中に取り込めたとしても、高断熱高気密で魔法瓶のように取り込んだ熱を保温する性能が高くないと熱が逃げていってしまうからです。これは自慢することではなく当たり前の事なのです。

パッシブデザイン住宅と高断熱高気密住宅の冬の暖かさの違い

断熱性能は現在、UA値という数値で数値化されています。長期優良住宅として認定されるかどうかもエリアごとに設定された 基準数値より下かどうかで判断されています。

UA値の計算方法

UA値の算出方法

断熱材や柱、梁など家を構成する全ての素材の性能や厚み、窓の性能を数値化し、壁・屋根・基礎・窓の部位ごとの熱が逃げていく量の平均値を出して、そこに面積を乗じて集計し、家の外と中で1度の温度差がある際に、熱が出ていく総量を出します。その数値を家全体の表面積(東西南北の壁・屋根・基礎・窓)の合計で割ったものがUA値です。

Q値の計算方法

Q値の算出方法

UA値のように、部材から逃げる熱量だけでなく、換気によっても熱が外に逃げたり入ったりするので、その熱の量も加味して家全体の床面積で割ったものが Q値という数値になります。換気が加わることでUA値より実態としての熱の移動に近い数値となります。

ここでその数値が低かったら「なるほど凄いな!」と感動して終わってしまっていてはいけません。その数値が高いか低いかに惑わされないでください。「住宅は性能です!」というのであれば、同じ性能値だったら、本当に同じ温度や省エネ性能の家になるのかどうか?を考えてみましょう。

同じ性能地の家でも日当たりが異なるケース

同じ性能の2つの家で比較します。南面の窓に日当たりが良好な家と、南に窓をとってない家で果たして同じ室温や省エネ性能になるでしょうか?当然左側の家の方が暖かいですよね。

同じ性能値の2つの家でも、冬に暖かい日差しが入る家は光と熱を家の中に取り込むことができるので、当然、実際の家の温 度は暖かくなります。その結果光熱費も低く抑えることができます。しかしこの事実はUA値やQ値には反映されないという事を知ってください。

ではもうひとつ。同じ性能の2つの家で、今度は南向きに同じように配置したとして、「一方は窓に光があたるけれど、もう一方は向かいの家の影があたる」といった違いがあった場合でも同じ室温や省エネ性能になると思いますか?当然結果は異なります。

一方は窓に光があたるけれど、もう一方は向かいの家の影があたる

同じように夏にギラギラ日差しが差し込む家と窓まわりに工夫して日射を防いでいる家の違いもまたUA値やQ値には、反映されていないのです。断熱性能が高いということは保温性能が高いということです。夏に窓から入った熱は、夜の間も家にこもってしまうので、逆に暑い家となってしまいます。

これでは、高断熱高気密住宅の「住宅は性能」という言葉を疑ってしまいますよね。パッシブデザインの実際の設計では、南にとった窓その1枚ずつについてそれぞれ季節と時間ごとに光と熱がどのように入る か?を検証して設計していきます。窓の性能、大きさだけでなく取り付ける位置もしっかりと根拠があって考えれているのです。パッシブデザインではない高断熱高気密住宅では「冬暖かく、夏涼しい」に自信が無いのかもしれませんが、過剰な冷暖房装 備がついていることも多いです。 高断熱高気密住宅という言葉に風や光(明るさ)は出てこないので、風や光(明るさ)は初めから考えていない建物になって いる可能性があります。

確かに、日本海側などの冬に天気が悪く日照時間が少ないエリアでは「冬も夏も家の外は温度的に脅威なので断熱材も分厚くし、窓も小さくして減らしましょう。景色は…諦めてください」という考え方もあるのかもしれませんが、大阪は日本に15%しかない年間日射量地域区分A4地域(良好)なのです。パッシブデザインを行う上で、無料で毎日手に入る太陽という貴重な熱エネルギーを暖房として使わない手は無いのです。

日本の年間日射量地域区分(左)と大阪府の年間日射量地域区分(右)

もちろん同時に夏はしっかりと太陽の光と熱を遮ることを考えないといけません。このバランスや調整もしっかりと考えないといけないのですが、これがパッシブデザインの実際の設計です。ただの高断熱高気密住宅と比べて「快適性、省エネ性、健康性」について圧倒的に有利な結果になるのは、当然の事です。

「パッシブデザイン vs 高気密高断熱住宅」

パッシブデザインの方が、設計士に求められるスキルが高く難しいのですが、同じ高断熱高気密住宅を実現した上で、プラス自然エネルギーを取り込んでいる分優れているという事を知ってください。

パッシブデザインはオートクチュール

大阪市 東経135度 北緯30度

パッシブデザインは難しい。その中でも大阪でのパッシブデザインは特に難しいとお伝えしましたが、じっくりと検討しないといけないのは、冬に太陽の光と熱をどのように取り込み、どのように夏に防ぐか?になります。まず最初に、太陽に動きについて理解することが必要です。

よく見る図ですが静止した12時の南の光だけを見ても、季節によって入り方がずいぶんと違ってくることが分かります。ただ、このように季節ごとの12時の日射の角度だけを考えて設計してはいけません。当然、太陽は動いているのでその位置が刻々と変わり、建物を中心に東→南→西と回り込むように移動していきます。その結果、建物に光があたる面の方位も、窓に対しての日射の角度も変わるので、室内に取り込める熱量の割合も刻々と変わっていくのです。

1月20日の敷地に対する日照シミュレーション

太陽が昇る位置も変わります。春と秋は真東から昇り、真西に沈みますが、冬は南側か昇るため日照時間が短く、夏は北側から昇るため日照時間が長くなります。とても複雑なため日当たりを検討するときは平面ではなく、立体的に行わなければいけないことが良くわかります[図A参照]

上のグラフを見ると[図C参照]冬の南からの日射の熱エネルギー量は大きく、南方位から取り込める日照時間も長いのでとても「ありがたい」ことがわかります。また、は南からの日射の熱エネルギーよりも、東、西から入り込む熱エネルギーの方が大きいので、これをしっかりと防がないといけないことが分かります[図B参照]春と秋は、あまり話題に上ることがありませんが温度的には5月と10月の平均温度はほぼ同じで日差しによっては夏日と感じる暑い日が多くなってきています。

東・南・西どの方位からも同じくらいの熱エネルギー量が入ってくるので[図C参照]、日中は南・東・西すべてしっかりと日射を防ぎたいものです。しかし、夕方から夜間にかけては外気温が下がるので風を通すことで快適に過ごすことができそうです。このように季節ごとの太陽の光の角度や熱エネルギー量を把握することで、1年を通じたバランスの良いパッシブデザインを設計していくことができます。

下図のAとBの土地を見てください。

どちらも約30坪で間口6.8m、奥行き15.1m。大阪の一般的な敷地になりますが、敷地の方位と周辺環境が異なります。Aは南向きですが、前面道路が4.7mで南側に3階建て住宅が立ち並び、西側、東側にL型の2階建てが建っています。Bは西向きで、前面道路が4.7m。道路向かいには2階建ての家が立ち並び、南・東には2階建てが建っています。敷地の大きさは同じでも敷地に差し込む太陽の光の位置、建物に対する日の当たり方は全く異なります。

全く異なるものになります。 たとえばタイコーだったら、Aの家、Bの家それぞれこのように設計します。

そこから隣家をかわして日射しを取り入れ、吹き抜けを介して1階に光と熱を導くプラン。

タイコーではこのように、お客様の敷地にどのように太陽の光があたるのか?どの位置にどのような形状の建物を立体的に立ち上げていくのが最適か?最初に検討していきます。

その上でお施主様皆様ひとりひとりのご要望を実現していきます。設計のプロとしてしっかりと時間をかけてその土地、そのご家族のために最適なお家を設計していきます。

逆に、中世の王族貴族たちが身にまとった採寸から始まり、着用する用途ごとにデザインされ、様々な素材、技法で仕立てたオートクチュールのドレスは家づくりに例えるならば、まさにパッシブデザインと言えるのではないでしょうか?近年、ファッションではこれ見よがしなブランドのものよりも、厳選された素材を使った優れたデザインの少数生産のブラン ドがじわじわと人気になりつつありますが、私たちにも本質的な価値を見抜く目が養われてきたのかもしれません。料理界でも、予約の取れない小さなお店の方がホテルの大箱レストランより料理の質も満足度も高かったりします。

タイコーの家づくりも年間で限られた棟数しか設計・施工する事が出来ませんが、同様に価値と質の高いものであると考えております。

パッシブデザインの5つの設計手法

パッシブデザインとは5つの設計手法を、適切に建物に組み込む設計技術です。様々なところでこれらのデザインは対立する ことがあるため、いかにうまくその対立を解消するかがパッシブデザインの最大のポイントになります。

5つの設計手法とは?

1断熱気密

断熱性能を高めることは建物全体の保温性能を向上させ、様々なメリットを与えてくれます。このメリットはとても大きく、逆に一定の断熱性能を確保できないときのデメリットがとても大きいため、建物に一定以上の断熱性能を組み込むことがパッシブデザイン住宅のベースをつくることになります。

建物全体の断熱性能の指標として「UA値」が、また断熱性能も含んだ保温性能の指標として「Q値」があり、実際にその建物がどの程度の断熱性能を持っているかを知るには、こうした指標を見ることが確実です。以下に地域ごとの基準値(上限値)を示します。

平成25年省エネ基準

断熱性能(保温性能)を高めることによる冬のメリット
  • 少ない熱で部屋を暖めることができる(省エネ性)
  • また暖房していなくても室温が一定に保たれる(快適性、健康性)
  • 暖房している部屋と暖房していない部屋との温度差が小さくなる(快適性、健康性)
  • 窓、床、壁などの表面温度が高く保たれる(快適性)

適切に断熱材を選んで適切に施工することで、建物の保温性が高まり、冬期の大きなメリットが得られるのです。

そして、省エネで快適な家をつくるには、気密もしっかりと行わなければいけません。家の気密とは「どれだけ隙間の無い家になっているか?という事です。

タイコーでは、気密性能を上げるために、まず寸法の誤差を無くした精密な建材・構造躯体を採用しています。そこにふかふかの断熱材を入れて気密シートでしっかりと包みます。ポイントはシートとシートを連続させて隙間なく施工することです。

また、家は電気、ガス、水道などのライフラインの管やコンセントなど連続した壁に穴を開ける箇所も出てくるため、その接合部分の隙間もしっかりと気密テープやウレタンなどで丁寧に施工していく事で隙間の無い家を実現しています。手間やコストはかかりますが、快適な住宅を建てるためには必ず必要な事であると考えています。

気密性能を高めることで得られるメリット
  • 省エネで部屋の温湿度を快適にする
  • 空気の漏れを防ぎ、断熱・保温性能を高める
  • 家の中の空気をしっかりと換気する
  • 壁の中の結露が発生するのを防ぐ
  • 花粉やPM2.5をしっかりと防ぐ
  • 高い品質で建てられた家であるかどうかが分かる

断熱性能は、高性能の断熱材・窓にコストをかければ誰でも実現できますが、気密性能は、作り手の施工能力であり、家づくりにおけるプライド・姿勢です。どちらも両立することが、これからの家づくりには当たり前に求められているとタイコーは考えます。

タイコーでは全棟気密測定。C値(家の隙間の大きさ)は0.6cm2/m2を基準としています。ちなみに気密値に国の基準は無く、どれだけ隙間のある家でも建てる事が出来るのが日本の建築基準法です。

皆さまはどう思われますか?

タイコーの断熱気密工事現場

タイコーの標準断熱仕様
  • 外壁:高性能グラスウール 厚み120mm(SE構法の柱厚み120mmの限界施工厚)
  • 屋根:高性能グラスウール 厚み210mm(SE構法の登り梁厚210mmの限界施工厚)
  • 基礎:ミラフォームλ 厚み55mm

2日射熱利用暖房

「日射熱利用暖房」とはその言葉の通り、冬に日射熱を室内に採り入れて暖房に使うという設計技術です。このときに重要になるのが、日射熱を取り入れる「集熱」、入った日射熱を逃がさないための「断熱」、入った日射熱を蓄えておく「蓄熱」の3つ のデザインをしっかり考えることです。この3つが高いレベルで実現できれば、快適性と省エネルギー性が極めて高い建物になります。ただし、地域によっては日射熱利用暖房があまり効果的ではない場合があったり、敷地の南側に建物などがあると冬の日射が遮られ十分な集熱ができないため、事前の検討を行うことが重要です。

日射熱の活用ポイント

下図のように、直射日光の当たっていない部分と当たっている部分では約5℃も温度が違います。敷地の周辺建物状況等を反映した日照シミュレーションによってきちんと直射日光の入る位置に窓を取り、最大限に日射熱を取り入れる工夫が必要になりますね。

3日射遮蔽

夏の暑い日差しを室内に入れないための日射遮蔽は、夏期における快適と省エネを実現させるための基本中の基本です。最近になって断熱性はかなり注目されるようになってきましたが、日射遮蔽性能についてはまだまだ理解や工夫が足らないように思えます。とくに「断熱性能(保温性能)を高めていくと、夏の室内が少しづつ暑くなっていく」という現象が起きるのですが、この問題を解消するには日射遮蔽のデザインをしっかり考えることが何より重要です。

対策ごとの日射遮蔽性

窓周りの日射遮蔽

平均的な性能の建物でレースカーテンを引く程度の日除けをしている状況では、夏に室内に入ってくる日射熱のうち70% 程度 が「窓から」入ってきます。したがって、この対策を考えないと確実な日射遮蔽はできません。ポイントは「庇や軒を考える」「窓の外側に日除け装置を設ける」というところです。またこうしたものは外観のデザインを決めることにもなるので、設計段階でしっかりと検討します。

  • 南側の庇や軒は日射遮蔽が高くなります。
  • ルーバー雨戸や外付けブラインド。日射遮蔽しながら風を通すことができ、外からの視線も遮ることができます。
  • シェード。洋風の外観に合う装置です。
その他の日射遮蔽

窓周りの日射遮へいを十分に検討することを大前提として、「日射を反射しやすい屋根や外壁の仕上げ色にする」「通気層を設ける」「屋根や天井の断熱性能を上げる」「庭の植栽を活用する」なども一定の効果があります。当社では屋根を二重にすることで、通気層を確保し、夏の室温上昇を防いでいます。また、外壁や屋根は黒よりも白に近い方が日射熱取得率を防ぐことができます。

  • 通気層を確保するための二重屋根

4通風

レベルの高い通風のデザインを進めていくときのキーワードとして挙げられるのが「卓越風向」「立体通風」「高窓」「ウィンドキャッチャー」です。建物の中での風の流れを予測しながら窓の配置や大きさを考えることを基本に、こうしたキーワードを 建物に組み込むことがポイントになります。

  • 吹き抜けを通じて上下に風を通す「立体通風」。
  • 最上階の上部に設ける「高窓」。建物に溜まった熱を排出させる効果は劇的です
  • 袖壁のデザインを工夫して、風をつかまえて流れを変え、室内へと取り入れる「ウィンドキャッチャー」に。

5昼光利用

昼光利用のデザインが目指すのは、昼間に人工照明を点けなくても過ごせるようにすることです。そのときの基本は「昼間に 長く過ごす部屋には2面に窓を設ける」「それ以外の部屋には少なくとも1面に窓を設ける」ということなのですが、他にも様々 な設計の工夫があります。

  • 室内ドアを透明や半透明にして光を共有する
  • 高窓やトップライトから光を落とす
  • 吹き抜けで上から下に光を落とす

タイコーがパッシブデザインで目指すもの

目指しているのは、ずばりエアコン1台で冷暖房費を抑えて快適に暮らすことのできる家づくりです。その為に設けているのが「室温基準」「一次エネルギー消費量の基準」の2つになります。

室温基準 まずは快適で健康な家を約束します。

冬の晴れの日

  • 朝6時の室温が15℃程度
  • 最高室温が20℃を上回る

ただし、以下の条件の場合とします。

  • 初期室温(0時の室温)が20℃
  • 無暖房(自然室温)
  • 日当たりのレベル:特に南、南東、南西が「とても良い」もしくは「良い」

※ 日当たりレベルがこれ以外の場合は、最高室温が20℃を上回るような設計を目指すのは合理的ではありません。

夏の晴れの日

  • 最高室温が35℃を下回る

ただし、以下の条件の場合とします。

  • 初期室温(0時の室温)が27℃
  • 無冷房(自然室温)

※ 夏に無冷房で過ごすことはありませんが、この室温が実現できれば、実際には相当に涼しく、最低限の冷房で済むようになります。

一次エネルギー消費量の基準 長期優良住宅の家に対して約30%省エネな家を約束します(BELSの★★★★★基準である20%削減を上回ります)

その時のエアコンの1年間の「暖房」「冷房」の合計の消費エネルギー量を180MJ/(m2・年)までに抑えます。「暖房・冷房」に「換気・給湯・照明・調理その他家電」の消費エネルギーを加えて、国が長期優良住宅での一般的な消費エネルギーとした基準値820MJ/(m2・年)に対して約28%削減した600MJ/( m2・年)に抑えることを約束します。

なぜこのように2つの基準も設けるのか?

省エネ住宅といっても、エアコンで室温を何度に維持した時の消費電力がどのレベルの家に対して何%省エネなのか?を誰も知りません。そもそも高断熱高気密住宅といっても室温がどのように変化してくのか?を正しく理解している設計士はほとんどいないため、なんとなく表示しているのだと思います。それはパッシブデザインではありません。

もうひとつ知ってほしいことがあります。大阪の気候は本当に「寒く、暑い」ので、国が長期優良住宅の基準値として設定している断熱性能では不十分。その性能で建築してしまうと「寒く、暑い家」なってしまうというのが事実です。

  • 冬の室温変化(無暖房)
  • 冬の室温変化(暖房あり)

この比較は太陽の熱エネルギー量を加えていない、あくまでも長期優良住宅基準の家とパッシブデザインのG2断熱仕様の家との断熱・気密・換気の性能だけの比較になります。同じ20度設定のエアコンで暖房するとこれほどまでに温度の差が発生してしまいます。

知ってほしいのは、長期優良住宅程度の断熱性能の家のLDKでは窓際や足元、24時間換気システムの吸気口の周りはこのように[下図参照]寒いという事です。トイレや廊下といった非暖房室とLDKの温度差は約10度もあり、体に大きく負担がかかります。不快感を我慢しながらの生活でも、エネルギー消費量だけが大きくなるので電気代も高くなってしまいます。

  • 24時間換気システムの吸気口
  • コンセントや隅部からの漏気
実はすごい!タイコーの断熱性能は北海道仕様!

大阪府の温熱地域区分

このような残念な家にならないためにタイコーが設けている性能基準は長期優良住宅の約2倍であるUA値 0.46W/(m2・K)以下。大阪は 80%のエリアが準防火地域に該当し、断熱区分は5地域・6地域の2つのエリアに分かれていますが、長期優良住宅の 基準では同じ UA値0.87W/(m2・K)以下と設定されています。

タイコーのUA値0.46W/(m2・K)以下という性能値は、長期優良住宅の基準で言えば北海道の1地域の基準と同じであり、実質的に北海道の断熱仕様と同等と言っている理由がここにあります。タイコーの標準仕様は日本で一番厳しい基準であるHEAT20という住宅の断熱研究者が設けている自主基準で6地域はG2グレード、5地域ではG1グレードを満たします。

具体的には、大阪府の大阪市や豊中市等の地域区分6のエリアでは、UA値は 0.46W/(m2・K)以下なので、G2仕様。大阪府の能勢町や豊能町の地域区分5のエリアでも、UA値は0.46W/(m2・K)以下ですが、基準値がより厳しくなる為G1グレード仕様となります(限られた高価な樹脂&トリプルガラスの窓しか使えない準防火地域かつ5地域に該当する建築地でG2仕様にするためには、タイコーだけではなく日本中のハウスメーカー、工務店が必然的に外断熱を付加するW断熱が必要となります)。

HEAT20 G1・G2 断熱性能推奨水準 外皮平均熱貫流率 UA値 W/(m2・K)
標準グレード 地域区分
1 2 3 4 5 6 7
HEAT20 G1 0.34 0.34 0.38 0.46 0.48 0.56 0.56
HEAT20 G2 0.28 0.28 0.28 0.34 0.34 0.46 0.46
タイコーの標準仕様(高断熱・高気密・高効率換気システム・高効率給湯システム・省エネ照明設備)
部位 仕様
高性能グラスウール 16K、厚み 120mm、熱伝導率 0.038W/(m2・K)(SE構法の柱厚み120mmの限界施工厚)
屋根 高性能グラスウール 16K、厚み 210mm、熱伝導率 0.038W/(m2・K)(SE構法の登り梁厚210mmの限界施工厚)
基礎 ミラフォームλ 厚み 55mm、熱伝導率 0.022W/(m2・K)
建築地が準防火地域の場合:LIXIL 防火戸FG-H、アルミ樹脂複合サッシ +Low-E ペアガラス、熱貫流率 2.33W/(m2・K)もしくはLIXIL 防火戸サーモス X、アルミ樹脂複合サッシ +Low-E ペアガラス、熱貫流率 1.58W/(m2・K)
建築地が法22条地域の場合:LIXIL サーモス X、アルミ樹脂複合サッシ +Low-E ペアガラス、熱貫流率 1.52W/(m2・K)
換気 熱交換効率75%の第1種熱交換型換気システム
給湯 エネルギー消費効率94.3%のヒートポンプを利用した高効率ガス給湯器
照明 LED照明をご提案
UA値 0.46W/(m2・K)以下(北海道の長期優良住宅の基準値)
Q値 1.8W/(m2・K)以下(北海道の長期優良住宅の基準値)
C値 0.6cm2以下(30坪程度の家で家中の隙間が名刺サイズ以下となる家:長期優良住宅には基準なし)
年間暖冷房負荷 180MJ/(m2・年)以下
年間一次エネルギー消費量 600MJ/(m2・年)以下(長期優良住宅の基準より28%削減)

全棟長期優良住宅(断熱性能最高の★★★★)、BELS(消費エネルギー量の削減率最高の★★★★★)を取得

タイコーのパッシブデザイン設計

上記の高断熱高気密住宅のメリットに加えて、建築地での実際の夏・冬の日当たり、風の入り方を考えて設計することで、ワンランク上の快適で健康的、省エネな家を設計する。タイコーが最終的にコミットするものは、UA値、Q値、C値といった性能値ではありません。性能値は「冬暖かく、夏涼しい家」を実現するための手法・手段のうちのひとつに過ぎないと考えています。タイコーは冬も夏も快適に過ごしていただける室温基準を設けています。そしてその時のエネルギー消費量を抑えることを約束しています。

パッシブデザインの見える化

何度もお伝えしてきた通り、パッシブデザインが目指すものは、「太陽、風といった自然エネルギーをそのまま使って一年 を通じて小さなエネルギーで心地よく暮らすこと」です。そのために設計思想・設計手法を駆使するのですが、最終ゴールに「室温」「消費エネルギー量」を設定している以上、確かめなければならない事があります。

それは、実際に建った家が「温度がキープできているか?実際の電気代は?」です。お引渡し後にどのような暮らし方をされているのか?を「暖かい」や「涼しい」といった感覚だけでなく「温度・消費エ ネルギー量」というポイントでご自身で把握して頂き、タイコーがデザインした以上に「快適で健康で省エネ」に、住みこなしていって頂くことが真のゴールです。

パッシブデザインは「暮らしの文化」と呼ばれることもありますが、家を建てて完成ではなく、お住まいになられるご家 族が「どのように太陽の日差しを遮ったり、風を採り入れたりすれば快適になるか?」考えて住まう「賢い暮らし方」を 自然と身につけられて、その暮らしを子供たちに引き継いでいくことからそう呼ばれるようになりました。 機械ですべて制御する暮らしではなく、自然エネルギーと人の手による設計工夫、暮らされるご家族の生活の知恵が合わ さって手に入れる暮らしは価値のある豊かな暮らしであるとタイコーは考えています。

  • HEMSコントローラー
  • HEMSスマートフォンアプリ

タイコーではすべての家にHEMSを搭載しています。 本来は「見える化するためのもの」ではなく家庭内のエネルギーを管理するシステムの事ですが、コントローラーやスマー トフォンのアプリで家中の温湿度や全ての機器の電気消費量を見ることができます。テレビをつけた時、電気ポットをつけた時にどう電気消費量があがるのか?エアコンの温度設定を変えた時にどう変化するのか?といった瞬間の電気消費量から、電気消費量を月別で表示したり、日ごと、時間ごととデータを比較できるので、1年を通じて省エネについてしっかりと把握することができます。

日々の生活の中で、ちょっとしたことに「より快適に暮らす知恵」があります。ふとした思い付きであったり、好奇心が暮らしをちょっとおもしろい方へと進めてくれます。

お客さまの声
  • 夏の西日を気にしていたけれど、東の窓にもすだれをつけてみたらエアコンの温度設定を1度上げても快適にすごせるようになった
  • 春や秋は、防犯を気にしなくてもよい小さな地窓と2階の窓を開けて風を通して眠るとぐっすりと眠れた
  • エアコンの室外機のまわりにおいてある物を、ちょっとどかすと消費電力が少なくなった
  • 給湯機の温度設定を1度下げたらガス代が安くなった
  • 吹き抜けの天井に向かってサキュレーターで風を送ってみたら、1階と2階の温度差がグッと小さくなった
  • 冬に温度だけでなく、湿度も気にして加湿したらエアコンの温度設定を2度下げても快適に過ごせるようになった
  • エアコンの温度設定をちょっとづつ変えてHEMSで電気代を見比べてみた
  • 冬に一日エアコンをつけっぱなしにした日の電気代とこまめにON・OFFを繰り返した日の電気代を比較してみた
  • 晴れの日と雨の日の、エアコンの電気代の違いを見てみた
  • 熱交換型第一種換気システムの換気量を夏と冬で切り替えてみよう
  • 冬に室内干ししたらよく乾く!乾燥機が要らないね
  • 遠赤外線ヒーターをつけた瞬間HEMSの電力消費量が激増した!ヘアドライヤーも。びっくり!

こうしたことに気付くと、自然と意識が高まり楽しみながらさらに豊かに暮らしていくことができるとタイコーは考えています。

1985アクション

最後に1985アクションナビへエントリーしてください。ご自身の暮らし方が、同じ地域同じ家族人数の平均的に比べて合計エネルギー消費量と電力消費量がともに半分にするという目標に対してどのくらい達成しているかがわかります。日本のすべてのご家庭で使用しているエネルギーが今の半分 になると1985年ごろの日本の電力消費量とほぼ同じになります。そうすることで、エネルギー問題として物理的に原 子力発電が不要な日本を取り戻すことができます。政治や利権などいろいろなしがらみがあったり、物理的に廃炉する技 術など様々な問題があって、すぐにこの問題を解決することは出来ないかもしれませんが、これからの子供たちの未来のために、東日本大震災とそれに伴っておきた福島原発事故を目撃した大人として原発に頼らない社会をめざしていくことが、日本人として、目指すべき本当に環境のための家づくりではないかと思っています。パッシブデザインを推進することで、お住まいになられるご家族にとっての快適性、健康性、省エネ性が満たされ日本の子供たちには不安のない未来を、地球レベルではCO2削減、温暖化STOPに貢献することができます。

こんな素敵な家づくりが、どんどん日本中に広がっていくことが、大阪の小さな工務店タイコーアーキテクトの大きな野望です。